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アイスピックを握る外科医 ー背徳、殺人、詐欺を行う卑劣な科学者

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科学の発展とともに、そこに身を投じる科学者の狂気の側面も明らかになってきた。なぜ、彼らは一線を越えて悪魔のような研究を進めてしまったのか。その暗黒の歴史を踏まえつつ、どの時代でも起こりうる問題として、またAIなどに絡んで今後も起こる問題としても解説する。 【内容紹介】 科学的発見こそが社会の発展を支えてきたことは疑う余地がない。科学者たちが自由に研究を進められる環境を整えることで、社会は更なる恩恵を受けられる。だからといって科学的探究のためなら何でも許されるわけではない。探究心だけに従い道徳的な一線を越えてしまった科学者の例は歴史上多数存在する。  科学的好奇心からの不道徳な行為として古くは医術に対する関心にあった。エジプトの女王クレオパトラが死刑を宣告された侍女たちを強制的に妊娠させ、腹を切り裂いて胎児の性別がいつ頃決まるのかを調べていたという話(真偽のほどは定かではない)も残っている。  本書では、データ収集のために奴隷を使用していたニュートンや、犬や馬に電流を流す残酷な実験をしていたエジソンをはじめ、殺人や拷問、スパイ行為や墓荒らしなど、科学者たちが一線を越えてしまった例を紹介していく。こういった行為はスキャンダラスなだけでなく、科学界への信頼を損ね、研究のために重要な文化的・政治的自由の制限をもたらしかねないという危険をはらんでおり、さらには今後も起こりうるものとも考えられる。だからこそ、彼らが究極のタブーを破ろうとした原動力は何だったのか。その背景や経緯から学ぶべきことがあるはずだ。  ナチスの行った非道な実験は、倫理的に許されず再現できないため、そこで行った数々の人体実験(低体温症、減圧室など)は貴重なデータとなってしまった。現在これらの状態に対する人体のデータはほかには存在しない。だからといって今このデータを利用することに問題はないのだろうか。しかし、低体温症の治療ではなくてはならないデータでもある。原爆の開発、ロボトミーによる精神疾患の治療など、科学はつねに善と悪の道徳的問題に曝されている。  それに対して、それは利用する人にかかってるのだとする主張もある。しかし、科学はわれわれの共同体の一部として存在しているのであり、われわれの社会や文化がその科学を理解し受け入れるかどうかを決めていかねばならない。さらに、そこから派生する、「不道徳な実験や研究から得られたデータや知見を活用することの是非」という難しい問いに向き合うことも必要となる。そして今後の宇宙開発に絡む法的な問題や現代社会と同じようにそこで起きるであろう事件なども含め、科学は現代より先の世界を想像しながら起こりうる事態にも対処していかなければならない。そのような「科学」という問題のための1つの手がかりともなる事例が述べられている。 【著者紹介】 サム・キーン ニューヨークタイムズのベストセラー『The Bastard Brigade』『空気と人類:いかに〈気体〉を発見し、手なずけてきたか(白揚社)』(ガーディアン誌のサイエンスブック・オブ・ザ・イヤー)『The Tale of the Dueling Neurosurgeons』『にわかには信じられない遺伝子の不思議な物語(朝日新聞出版)』『スプーンと元素周期表(早川書房)』の著者。また、PEN / E. O. Wilson Literary Science Writing Awardの最終候補に2度選ばれている。著作はThe Best American Science and Nature Writing、ニューヨーカー、アトランティック、ニューヨーク・タイムズ・マガジンなどに掲載され、NPRのRadiolab、All Things Considered、Fresh Airでも紹介されている。彼のポッドキャスト「The Disappearing Spoon」は、iTunesのサイエンスチャートで1位を獲得した。ワシントンD.C.に在住。

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